読書感想・忘備録ブログ

読書・映画ログ、ときどき忘備録を書きます。

MENU

本2:空飛ぶタイヤ上

◇あらすじ

 トラックのタイヤ脱落事故が起こり、整備不良を疑われ窮地に立たされる赤松運送。

しかし、その影にはそもそもトラックに構造的欠陥がある事が見え始め、隠蔽を試みる大企業=ホープ自動車。

 

そんな大企業に挑む赤松運送 VS. ホープ自動車の話を中心に、社内での隠蔽 VS. 公開の争いや、銀行との融資を巡る戦いなどが繰り広げられている。

 

◇感想:

 ホープ自動車で起こる権力争いや、自分の立ち位置を良くしたり周囲の損得に従って仕事をする品質保証部の人達がリアルに感じた。

 

仕事の本来の目的は、英里子が言うようにお客様のためのモノ作りが出来ているか?という問いかけを第一に持つ事だと思う。

 

 本作では、このアンチテーゼとして出世ばかり気にする上層部やグループの親玉を敵役とし、部下やグループ会社の社員が真実を暴こうとするシーンを描いているように感じた。

 

また、こういった描写は、権力に屈せず立ち向かう姿として憧れも代弁しており、その点が読者に共感をもたらしている要因だと感じた。

 

空飛ぶタイヤ(上) (講談社文庫)
池井戸 潤
講談社
売り上げランキング: 2,381