本4:世界の測量
タイトルだけでは想像が難しい作品だが、個人的にはかなり面白い作品だった。
主人公は、数学や物理学の分野で世界に功績をもたらしたガウス、コスモスなどの著で知られるフンボルトの二人。同時代に生きた彼らを繋ぐ物語。
一方は机上思考を繰り返す事で世界への理解を深め、もう一方は現地現物で世界の輪郭を明らかにしていく。それぞれやり方は違うけれど、未知の「世界」を明らかにしたいという欲求は同じ。だからこそ互いに惹かれ合い、小説として結びつける話が書けるのだと思う。
また、印象的だったのが「自然科学の原点は、自然界を理解するためにある」という事。世界にはまだ未知な事象が散在し、大抵の人々が地球の裏側を全く知らない状態で生きていた。そんな世界を明らかにするために、活動を続けている。
科学を学ぶ本質は、まさにこの点だと感じた。忘れずに心に留めておきたい。
世界の測量 ガウスとフンボルトの物語
posted with amazlet at 16.02.13